開発ストーリー Development story

vol.01 ブレないことの難しさ。先代の味を引き継ぐ責任に寄り添う

いわき駅前の繁華街。飲食店がひしめくエリアで45年以上続く「鳳翔」。長年通うファンも多い。いわきの中華好きを唸らせ、その胃を満たしてきた。深夜でも店は人であふれている。シメに訪れるお客で賑わう人気店だ。
そんな鳳翔と鈴木製麺との付き合いは、先代オーナー時代から既に18年程が経過した。運命的な出会いだったという。当時、鳳翔が取引していた製麺所が廃業することになり、鈴木製麺が代わって麺や餃子の皮などを供給する役割を担うことになった。人気店である鳳翔。その重要なパートを引き継ぐプレッシャー。何より高い要求に応えねばならない。

(写真右:鳳翔 チーフ 近藤克城氏 左:鈴木製麺 代表取締役 鈴木千里氏)


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「鈴木さん、そうじゃない。麺にコシがないよ」「餃子の皮が固いんだ」「皮の形も変えてくれ」毎日のように、厳しいオーダーが降りかかる。でも、それは、鳳翔が鳳翔であるために、そして、お客様の期待を決して裏切らないために必要なこと。鈴木製麺は、製麺所の社員と設備を引き受け、鳳翔の味を変えぬよう守り続けることを決意した。
そして、試行錯誤の末に生まれたのは、独自の厚みと形を持つ「完全鳳翔オリジナル」の餃子の皮。鈴木製麺が鳳翔と伴走し始めた瞬間だった。


img02時が経ち、先代との別れを迎えた。その後を継ぎ、ひたむきに、そして精力的にお店を回すのはチーフの近藤克城氏。20年前、中国からいわきの大学に留学していた頃、ここでアルバイトをしていた。一度離れ修行を積んだ後、店を引き継ぐために、3年前鳳翔に戻ってきた。
麺はすべて鈴木製麺のオリジナルたまご麺。「柔らかいコシ、風味、つるつるの食感、これが鳳翔の味とベストマッチしている」と語る近藤氏。もちろん、餃子同様、麺の完成にも紆余曲折があった。お互いが相乗効果を生み出し、最高の味を引き出すために、鈴木製麺が背中を支え続けてくれたという。


img01近藤氏曰く、本場中国に引けを取らぬ麺。スープがよく絡むバランスの良さは、長年かけて生み出した、この細麺があってこそ。

1日100食は出るという五目あんかけ焼きそばは、鳳翔の看板メニューだ。生麺を茹で、よく湯切りをした後、両面にほんのり色がつくくらい蒸し焼きする。そこからはスピード勝負だ。豚肉・エビ・イカ、そして野菜たっぷりの熱々のあんが麺に降り注ぐ。絶妙にあんが絡んだ細麺の味。これは絶品だ。


同じ原料を使っても、練る時間、こねる水温、ミキサー内の温度、そのわずかな差で味も食感も変わってしまう。だから、出荷するものは、毎日自分で食べて確かめる。そのひたむきな努力が、安定した味を維持し続ける。鳳翔の味も同じ。先代から引き継いだ味が決してブレぬよう、日々ひたむきな努力を重ねているのだ。
麺は中華の命。それを支える鈴木製麺。鳳翔は、これからも変わらぬ味を提供し続けていくことだろう。


鳳翔(ほうしょう)

住所:福島県いわき市平白銀町6-9
いわき駅より徒歩約2分
営業時間:11:00~28:00
定休日:年中無休
TEL:0246-23-0251